木村善明バスバリトンリサイタル
2026年6月10日
Jホールに行って、木村善明バスバリトンリサイタルを聞いてきました。木村善明氏は倉敷市出身ですが、芸大大学院を出た後はドイツに渡り、ずっとドイツで活躍されていました。そして今年3月末帰国、活動拠点を日本に移されたものです。早速今年の12月の新国立劇場での「フィガロの結婚」にタイトルロールでの出演が決まっています。
曲目は前半が日本の歌曲で、滝廉太郎:荒城の月。越谷達之助:初恋。山田耕筰:待ちぼうけ、赤とんぼ。高田三郎:くちなし。小林秀雄:落葉松。中田喜直:結婚、木菟(みみずく)。
後半は同じ日本の曲でも少し最近の曲で、木下牧子:ロマンチストの豚、ひばり、さびしいカシの木。猪本隆:オオカミの大しくじり。それにモーツァルトのコンサートアリア「この美しい手」、さらに「フィガロの結婚」から「もう飛ぶまいぞこの蝶々」。
ピアノは、矢野雄太氏です。
第一声から度肝を抜かれました。「朗々」という言葉ではまだ足りない音量と響き。バスバリトンというのでもっと低いのかと思いましたが、いわゆる普通のバリトンの高さですね。声楽家の「バリトン」は、もっと高いみたいです。日本語の歌というのはこれが難しいのですが、言葉ははっきり。ピアノになってもエネルギーは十分。大ホールの隅々まで届く発声というものを、実感しました。またピアノで歌う時は音量を落とすのではなく、息を混ぜるのだ、というM先生の指導を、思い出しました。
後半の「オオカミの大しくじり」はコミカルソングで、ドイツでやると大受けするそうですが、今日はそこまではウケなかったですね。最後のイタリア語になると、実に自然です。やはりベルカント唱法は、イタリア語をきれいに聞かせるための唱法ですね。これは12月の「フィガロ」はすごいだろうなあ。
アンコールは「命の歌」。楽しめました。
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