« キマロキが見たい(3) | トップページ | キマロキが見たい(5) »

2024/07/02

キマロキが見たい(4)

2024年6月11日(火)(つづき)


Img_88431a_20240702164401 名寄は鉄道の街であった。名寄と聞いて力士の名寄岩を連想するのは、相当に古い世代である。名寄は塩狩峠越えを北から支え、また名寄本線を分岐し、機関区もあった。なおこのあたりはD51の入線可能区間で、D51は音威子府まで運用していたようだ。そしてまた、名寄は稲作の北限地と言われている。

 

今日はかなり気温が高い日のようで、セーターもリュックに入れてきたが、そこまでの必要はなさそうだ。長袖シャツにブルゾンで、ちょうど良い。しかし札幌よりかなり気温が低いのは確かである。


Img_88451a 通称キマロキの丘、正式には名寄市北国博物館の保存車は、旧名寄本線の線路上にある。名寄を出てしばらくは平行し、そこから名寄本線が高度を上げていくところなので、全体が見渡せるポイントがあれば、宗谷本線の列車とキマロキを入れて写真が撮れるはずである。そう思ってきょろきょろしながら歩いたが、最適な場所はない。何はともあれ、まずキマロキである。丘の上に青空をバックに、良いロケーションだ。青葉が黄緑色なのも、いかにも北海道である。

 

各車両を見ていく。この際SLはパスである。北海道の、このデフを切り詰めた姿は形態的に好きではないのだが、吹雪の中着ぶくれた作業員に安全に作業を行わせるための手段の一つだったのだろう。まずロータリーのキ600、ロータリー車というのは、子供の絵本でのヒーローだった。小生が絵本で見て憧れていたのは、こだま型のモハ20系(まだ151系ではなかった)、湘南電車(80系)の16両編成、それにこのロータリー車である。キ600は小樽の総合博物館にもあるが、小樽のものはテンダーがなく、最後尾は焚き口がむき出しである。旧型(D50以前)のSLと同じで、機関室はテンダー前面が後の壁になっており、座席などもテンダーに造られている。テンダーを切り離すと、様子がわからないのだ。機関室に上がってみる。C11などの小型SLと同じような感じだ。


Img_88441a 前の運転室にも上がってみる。加減弁と逆転機が後ろ向きに付いている。釜焚きの機関助手との連絡は、伝声管である。SLのように隣り合っていないので少しやりにくいだろうが、他の除雪車と違ってロータリー車は機関区の乗務員が乗り込んでいる。高圧ボイラーは、資格を持っていないと扱えないのだ。なおこのキ600型は戦前の製造で、加減弁などもC11やD50と同じ造りである。戦後に製造されたのはキ620型で、これはC58と同じ機関室は密閉型、そして船底テンダーを持っている。調べたら、西会津のお寺に1両だけ保存されているようだ。行けるかな?


Img_88581a 外に回ってみる。ロータリー車は前が3軸、後が2軸の台車で、そこに2軸ボギーのテンダーが付く。よく見たら、前の3軸台車にはブレーキがない。前のマックレーも前の台車にしかブレーキがなく、低速運転のキマロキは、これで良かったのだ。マックレーとロータリーを連結して走るのは北海道だけで、東北では切り離して別々(続行運転)で走る。マックレーとロータリーの連結部は緩衝バネなど何もないただの棒とピンで、よくこれでうまく走れたものだと思う。


Img_89001a マックレー車はかき寄せ羽根を開閉するだけだが、この動力は圧縮空気で、空気源は前の機関車である。SLには元ダメ管などないので、圧縮空気の供給にはブレーキ管を使い、「込め」動作でひたすら溜める。そのためマックレー車に限らず各除雪車とも、大きな空気だめを持っている。

 

しかしここの保存車両は、皆きれいだ。保存開始は1976年だから、もう50年近い。鉄道車両の保存は実は難しく、それなりに手入れをしていかなければいけないのだが、それなりの手入れがきちんとできているということだ。お見事!


Img_89181a 宗谷本線の列車とこのキマロキ、なんとか1枚に収まらないか、踏切で試してみる。なんとか収まるには収まったが、説明が必要なくらい大きさに差が出てしまった。

 

予定では名寄を16時29分発の快速で旭川に戻る予定だったが、立ちっぱなしで疲れたこともあり、予定より1本前の列車で札幌に帰ることにする。1本前は特急なので、窓口で旭川からの特急券を名寄からの特急券に変更する。岡山で買ったジパング割引だが、無事変更はきいた。旭川で乗換になるのだが、特急券は通しにできるのだ。やってきた特急「サロベツ」はキハ261の基本番代、元々キハ261は、この宗谷本線の特急用に造られた車両である。名寄で運転士が交代、5分遅れだ。

 

発車するとすぐにアナウンス。何でもエゾジカと衝突し、5分遅れたそうだ。エゾジカで良かった。これがヒグマだったら安全確認のために、場合によっては銃を持った人を呼ぶことになるので、何時間もかかるどころか、ひょっとしたら運休である。


Img_89521a キハ261系は、再力行時のショックが少ない。変速1段直結4段の速度に応じたギヤでパワーオンする。これが正常で、キハ283の、高速での再力行時にもローギヤから入るやり方が異常だったのだ。キハ281はちゃんと速度に応じたギヤで入っていたのに、何でああいうことをしたのだろう。すでに両形式とも姿を消してしまったが。なおこのキハ261、当初は車体傾斜装置を使って旭川-名寄間を130km/hでぶっ飛ばす予定だったが、一連のスピードダウンで車体傾斜装置も使用中止になった。それでも遅れているせいか、結構飛ばす。

 

旭川では、同一ホームで乗換ができる。札幌から来るときのカムイの自由席は旭川側だったので、サロベツの札幌側の自由席から後に移動した。ところがライラックの自由席は、札幌側だった。札幌ー旭川間の特急で、愛称名が変わると自由席の位置まで変わるとは、思わなかった。しかし旭川では空いていたので、問題なく窓側に座れた。なお、滝川でほぼ満席になる。車両はクハ789-201、懐かしの青函連絡特急用車両である。息の長いヒューンというブレーキ緩解音もそのままだ。


Img_89531a 札幌に着き、夕食は何か名物をと思ってスープカレーを食べたが、慣れないことはやるものではない。おなかを壊した。目的の場所へは行ったから、良いか。

 

札幌泊。
(つづく)

« キマロキが見たい(3) | トップページ | キマロキが見たい(5) »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« キマロキが見たい(3) | トップページ | キマロキが見たい(5) »

フォト
2026年9月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
無料ブログはココログ