行進は右足から
2024年3月29日
「日本のクラシックは歪んでいる」(森本恭正著)という本に、「行進、世界中例外なく左足から進む」という記述があったので、「違う。日本では帝国陸軍以来、行進は右足からだ。」とブログに書こうと思って調べてみたら、いつの間にか、日本でも左足からに変わっていたのです。これは小生の思い違いではありません。カミさんも(いつもは考えるカミさんも)「右から!」と即答しました。武道は左進右退と言って、前に進むときは左からです。日本の蒸気機関車は右クランクが先行していますが、1形式だけ例外的に左クランク先行で、これは「武士道機関車」と呼ばれました。左クランク先行(左が先)にわざわざ「武士道」という名称が付くということは、普通は右が先だった証拠です。心配になって東京オリンピック(1964年の)の映像を見たところ、日本選手団は行進曲の強拍で右足を踏みしめているように見えました。
こういう「昔はこうだった」というものには、ネットの検索はまず役に立ちません。以前(30年くらい前)は検索するといろいろ面白いものが引っかかってきたのですが、最近はフィルターやらバイアスやらいろんなものがかかっていて、その上に部分一致が優先されるため、まず出てきません。そこで県立図書館に、こういう時はどういう本を調べれば良いのか、問い合わせてみました。すぐには出てこなかったのですが、数日経ってから電話がありました。「帝国陸軍の歩兵操典まで当たったが、行進が右足からという例は、見いだせなかった」。昔から左が先だったみたいですね。ただ東京オリンピックのリハーサルを見た新聞記事に、「左から出なければいけないのに、逆の選手もいる」という記事があったそうです。
これはひょっとすると(ひょっとするとですが)、公式では左足が先だが、下々の方では右足から先に出していた、という可能性があります。そのため今でも「行進はなぜ右足からなのですか?」という質問が来て、「行進は左足からです」という回答が来たりしています。盆踊りは右足から出るということもあり、マーチングに慣れていない素人に行進をさせるときは、行進曲の強拍に右足を合わせた方が合わせやすいんです。ネットなどSFの中にしかなく、指導要領も原本など雲の上という時代、「右足から1,2とした方が合わせやすい」というローカルの指導ノウハウができあがっていたのかもしれません。
小生は高校まで熊本でずっと公立、全部右足から行進していました。大学に入ったら行進などしていませんので、どうなっていたかはわかりません。カミさんは東京で、小学校は公立、中高はミッションスクール。おそらく小学校でしょうけど、右足からと言っていました。きちんと左足から出ていたのは、昭和30年代ではナショナルチームレベルでしょう。それが次第にテレビの普及や、紙事情も良くなり、いろんなことが書類で伝達されるようになってきて、ローカルルールが次第に廃れていったのではないかと思います。これは、いくら調べても出てこないでしょうね。
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