新見美術館で小田野尚之展
2023年11月20日

昨日、新見美術館に行ってきました。小田野尚之展を見るためです。
新見までは各停で1時間半、特急で1時間。昨日の疲れが取れていなかったので、特急にしました。旧国鉄特急色の「やくも」。381系は揺れるのであまり好きな車両ではないのですが、381系しか走っていません。鉄道ファンにとっては贅沢な話ですが。
381系は自然振り子のため、カーブに入ったときの傾斜が遅れ、また戻りも遅れます。それで不快に感じるのですが、座っているときはさほどは感じませんでした。ところが新見で降りるために早めにデッキに立ったらその揺れること!短時間で酔いそうになりました。
新見美術館は、山の中腹です。選択は急坂の自動車道か階段の2択で、他はありません。まあ身体の悪い人は駅から歩いてくることなど考えておらず、駅からタクシーが前提なんでしょうね。しかしこのご時世、タクシーいたっけ

?小生は、階段を上がりました。確か医者から「階段禁止」を言われていたような人がいたような気もしますが、、、(^_^;。さすがに一気は無理で、休み休みです。
今日は小田野先生の講演会もあり、これは事前予約制で申し込んでいるのですが、それが午後1時半からなのでその前に一通り見ます。小田野先生と言うとあの緑、「小田野グリーン」なんですが、これが出てくるのは47才くらいからなんですね。このあたりで作風が変わったように感じました。それまでは、古い建物とか、石壁の質感と古さが良く出たような絵です。
絵を見ているうちに時間が来て1階へ。ここは玄関も展示室も、2階なのです。会場はぎっしり、100人近くいるのではないでしょうか。失礼ながら、新見によくこれだけ集まったものです。スタッフの方もびっくりしていましたから、予想外だったのでしょう。小田野先生、人気です。なお新見美術館の所蔵品の人気投票では、あの横山大観を押さえて小田野先生が1位だったとか。先生は「組織票に違いありません」と言っていましたが(笑)。
講演会では、学芸員の方との対話形式でしたが、ここには展示していない若い頃の作
品の紹介もありました。小田野先生と言えば風景画なのですが、何と、初期の入選作はすべて人物画なのです。そして先生が「黒歴史」とおっしゃっていた実験的手法の絵など、若い頃はいろいろ新しいことをやっていかないと認めてもらえない、言い換えれば、認めてもらうためにはどんどん新しいことにチャレンジしていかねばならない。画家さんも大変です。画家は絵が売れて初めて収入が出る仕事ですから、それまではアルバイトで食いつなぎです。画塾(美術学校への予備校)の講師をやっていたそうです。こういうときに、東京芸大大学院修了という肩書きは、役に立ちます。
小生が作風が変わったと思った時期は、美術院の同人(読み方は、どうにん)に推挙された年でした。これでやっと好きな絵が描けると、風景画の小田野グリーンが出てきたわけです。なお先生はすごくシャイな性格で、スケッチ中に人が来たら、走って逃げ出すそうです。無人駅の絵が多いのは、周りに人がいないからだそうです。電車ではなく気動車を多く描くのは(先生はディーゼルカーとはっきり電車と区別、その点学芸員さんの方は、ごっちゃになっていました)、架線を描くのが面倒だから。「面倒」ということではなく処理が難しいということでは、架線柱や架線の処理にいつも困っている小生にはよくわかります。
絵の下地に金箔が貼られているというのには、驚きました。やはり白下地と金下地とでは、特に雪の白などの発色がまるで違うそうです。金下地にお金がかかるため、絵の方は高い天然顔料は買えず、人工顔料だとか。図録にするための写真撮影は、人工顔料の方が同じ色が出やすいそうです。絵の仕上げにサンドペーパーでこすったりしているために所々下地が見えているところがあるそうで、講演会後確認に行きました。
せっかく来たので、景色の良い喫茶室で一服。この景色、写真展に出すような写真に仕上げるのは、ちょっと難しそうですね。
帰りは、「スーパーやくも」色でした。「スーパーやくも」が存在していた頃は、スーパーの方が揺れが大きいのでなるべく乗らないようにしていました。ちょっと疲れましたが、行って良かったです。
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