マイナ保険証のメリット
2023年7月29日
国会の閉会中審議でも、相変わらずマイナ保険証が議論されていますが、誰もマイナ保険証は本人確認しないと使えない、ということには言及していませんね。つまり、意識不明で救急車で病院に運ばれても、マイナ保険証は使えないということです。あるいは脳梗塞で、顔が引きつりろれつが回らず手も震える状態で救急搬送され、緊急処置室のベッドに寝かされていると、端末を持った職員の方が現れ、「すみません。パスワードを入力してください」とやったら、これは悲劇を通り越してもう喜劇、できの悪いコントです。「生きるか死ぬかのことを、笑いのネタにするな!」とお叱りを受けそうですね。ただ現実は、そうですね。
マイナ保険証のメリットは、過去の病歴が参照できることらしいです。ただ所詮ネットに上がっている情報、せいぜい2000年以降の情報でしょう。小生の場合は2017年に保険証が国民健康保険に切り替わっていますから、おそらくそれ以降でしょう。
小生の場合一番大事な病歴は、1971年に結核にかかったことと、その時の治療をどうやったかです。リファンピシンを使ったかどうかですが(小生の頃はまだ治験段階だったので、小生は使っていません)、ネットといえばバレーボールかテニスだった時代、そんな情報が参照できるわけはありません。入院した国立療養所もとっくに廃院になっており、カルテはどうなっているやら。
まあせいぜいここ数年でどういう治療を受けているかでしょうけど、参照できるのは「保険」診療です。小生はC型肝炎のインターフェロン治療を3回受けていますが、2回目は治験なので、時期的にネットに載らない時期ですが仮に載っていても出てきません。保険外治療で身近なところでは、コロナワクチンの副反応対策の解熱薬ですね。これは保険外なので、出てきません。また小生は大きな歯科治療の時には抗生剤を飲まされていますが、これは事前服用なので、保険適用外です。最近はないですが、仮にあっても出てきません。
もう一つ、恐ろしい例を。小生は2002年頃山形で膝を雪(ほとんど氷)に打ち付け、剥離骨折しました。ところが山形の整形外科医は骨折を発見できず、打撲として処理されています。「ヤブ」と言ってしまえばそれまでですが。東京で行きつけの整形外科でレントゲンを撮ったとき、「南海さん、あんた骨折してるよ」と言われてびっくりしました。もう時間が経ちすぎていたので処置は何もせず、結局「書類上は」小生は骨折の既往症はないことになっています。
もう一つ、小生はB型肝炎にかかっていましたが、C型肝炎の3回の治療で、一緒に治ってしまいました。従って、B型肝炎としての治療は、受けていません。B型肝炎もやっかいな病気で、ウイルスは完全に排除したわけではなく、フリーズドライ状態で封じ込めていて、元に戻らないように免疫力で抑え込んでいる状態です。検査をすればわかりますが、検査をしないとわかりません。これも、B型肝炎としての治療は受けていないので、出てきません。
つらつら書いてきたら、マイナ保険証はメリットが無いどころか、ない方がマシみたいな感じになってきました。なまじ医療情報が出てくるので、それがすべてを網羅しているわけではないというのは、ベテランの医師でないと気がつきにくいかもしれません。きちんと患者から聞き取りをやらないといけないのですが、なまじ出てくるために聞き取りがおろそかになるのが怖いです。
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