大容量のクラッチ
2022年3月24日
交通機関の動力源として内燃機関を使う場合、多くの場合はクラッチが必要になります。自動車のオートマチック車はノークラッチとも言いますが、実際は多数の電磁式クラッチを使用しています。液体式のディーゼル機関車でも、DD13グループまではトルコンに直結用と逆転用のクラッチを持っていました。1960年代、日本では使えるクラッチは500PS級が限度でした。そのため、DD13は500PSのエンジンと変速機をを2組積んでいます。
DD51を開発するとき、液体変速機はクラッチの無い充排油式のものが開発され、これは当初の1000PSから最後はDE10の1350PSまで使われました。これらには、クラッチはありません。最近の機関車は電気式になり、ますますクラッチとは無縁になりました。
DD54には、ドイツの技術で液体変速機(2000PS級)には爪クラッチが使われていると本には書いてありますが、機械関係の解説書を見ても、大容量のクラッチの解説はないんですね。単板の摩擦式が複板になり、湿式になる程度です。自動変速機の解説書は多いですが、元々自動車用で、500PSを越えることはありません。
大容量のクラッチの用途はそんなにないのかと思っていたら、自衛艦を含む軍艦に思い至りました。最近はまた変わりましたが軍艦は高速を出すためにガスタービン駆動で、そのガスタービンも速度によって切り替えて使っています。代表的なところで、低速では2台、高速では4台(台数は一例)のガスタービンを使うCOGAG、低速用と高速用のガスタービンを切り替えて使うCOGOGがあります。どちらも、大容量のクラッチは必須です。
さらに調べていたら、SSSクラッチというものにたどり着きました。最大容量は320MW(3000rpm)、何と4億2千万馬力!最大回転数は16,000rpmですから、タービンに使えます。特殊な同期噛み合い式のクラッチで、噛み合い方法が特許であり、ノウハウなんでしょう。DD54の爪クラッチというのも、こうした同期噛み合い式のクラッチのようです。
ここまで大容量のクラッチは世界でもSSSクラッチしか無いようで(情報のないロシアを除く)、解説書も無いわけです。自衛艦も、皆SSSクラッチを使用しているようです。なお、SSSクラッチはイギリスの会社です。
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