N響の第九
2019年1月3日
喪中につき、新年のご挨拶は控えさせていただきます。
昨年暮れに録画したN響の第九を、昨日やっと見ました。指揮はマレク・ヤノフスキ。ヤノフスキさんは、N響とのつきあいは長いんですね。徳永さんがコンマスをやっていた頃の映像が出ました。ひょっとしたら小生も、一回くらい聞いているかな。ヤノフスキさんの話の中で驚いたのは、ドイツのある地方(ドルトムントなど)では、毎年暮れに第九を演奏しているとか。そして日本では12月になると「第九まつり」になっていますが、これはドイツの地方都市と同じだそうです。第九を暮れに演奏するのは日本だけ、とか言われていましたが、ドイツも広い。なお今年のソリストは、ソプラノ:藤谷佳奈枝、メゾソプラノ:加納悦子、テノール:ロバート・ディーン・スミス、バス・バリトン:アルベルト・ドーメン。合唱は東京オペラシンガーズ、合唱指揮は田中佑子さんです。なお楽譜は、ソロの歌詞からベーレンライターのようでした。
ヤノフスキさんの指揮について団員は、ともかく速い(65分)。「うるさい」と怒られっぱなしだった(fのところをffでやると怒られる)。という感想が聞かれました。やたら迫力を求める演奏とは、一線を画しているということでしょうか。なお岡フィルの昨年、もとい、一昨年のシェレンベルガーさんの指揮も、速かったです。
テレビを通じて聞いたので、N響の演奏についてはコメントしません。驚いたのは、バスソロに続いての男声の「Freude!」がバスだけだったこと(テノールは、お休み)、そして最初のDeine Zauberから始まる「歓喜の歌」の後半部分、ここではソプラノがお休みだったこと。どちらも楽譜通りですが、音量(迫力)を出すためテノールとソプラノをそれぞれ加えることが多いんです。そのため、テノールのオクターブでの動きが良く聞こえました。なお合唱団員は総勢100名くらいですが、50:50ではなく、55:45(女性が多い)のようでした。それでもテノールは、良く響きます。さすがはプロだなあ。
テノールソロを追いかけるように歌う男声合唱、ここでは男声は、ソロを消さないように音量を落としていました。やっぱりそうですよねえ。ヴァイオリンコンチェルトで、オーケストラのヴァイオリンが音量一杯に弾いたらソロが聞こえなくなるのと同じで、やっぱりソロは聞こえないといけません。シェレンベルガーさんの指示も、そうでした。
fを大きくしすぎるなと言うくらいですから、ppはきれいです。特にIhr-stu¨rzt nieder,からのG-molの所、すごくきれいでした。その後のU¨ber Sternen muss er wohnen,の所、テノールはGの連続で、自分で歌うときはffなのに息切れしてしまうのですが、ここもさすがプロです。音量も音程も、全く落ちません。ドッペルフーガのテノール初っぱな、SeidはAの音ですが、ここがスコーンと出るときれいです。自分では出したいなあと思いつつ、出ません。
全体を通して、迫力という点では今一つで、拍手もそんなに熱狂的ではありませんでした。だけど繊細で、品が良いです。岡フィルの昨年の第九と比べると、技術的な優劣は別として、対照的な演奏でした。
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