天草本伊曾保物語
2018年10月25日
ご存じの方も多いと思いますが、伊曾保は現代の発音ではイソップで、イソップ物語です。天正少年使節がヨーロッパから持ち帰ったグーテンベルグの活版印刷機で(ローマ字で)印刷された本で、小生はこれが日本最初の活版印刷での印刷物だと思っていました。ところが違ったんですね。最初に印刷されたのはキリスト教関係の本で(まあ、当たり前か)これが印刷された場所は島原(長崎県)の加津佐です。加津佐を「天草」と解説してある本(岩波文庫の「伊曾保物語」)もあり、小生が誤解しても仕方がなかった分もありますね(言い訳)。
天草と島原を混同している方は実は多く、確かに「天草島原の乱」とひとくくりにされ、さらにはこの乱の後天草は天領になって島原代官の支配下に置かれたのですから、誤解するのも宜なるかな、です。ただし天草はずっと肥後国です。
この天草本の伊曾保物語は、日本で最初の西洋文学の翻訳本と言われています。そして、ローマ字表記の口語文です。当時は漢字の活字は考えられなかったのか技術的に不可能と思ってあきらめられたのか、その後出版された漢字かな交じりの国字版は活字ではなく、浮世絵などと同じ木版刷りですね。印刷機の方はキリスト教禁令のあおりで、マカオに運び出されています。
ずいぶん前になりますが、東京の印刷博物館に行ったときにこの「天草本」に関して一切触れられていなかったので、不満に思っていました。印刷の歴史の中で、完全無視でした。しかし今回検索したら印刷博物館のコラムで天草工業高校の「天草本」(キリシタン版)再現作業について紹介してありましたので、展示の中で少し触れられるようになっているかもしれません。
« 明日開幕 | トップページ | 東京に来ています »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- LEDスタンド(2026.10.07)
- 東京から帰ってきました(2026.10.04)
- 今日から10月(2026.10.01)
- 住民票コード(2026.09.26)
- 自動連結器(2026.09.22)
« 明日開幕 | トップページ | 東京に来ています »


コメント