森陶岳大窯展
2016年2月23日
森陶岳大窯展というのに行ってきました。高さ約1.5mの大瓶(五石瓶)を見るためです。
森陶岳氏は古備前の復活を行っている陶芸家で、昔ながらの製法にこだわり、85mという巨大な登り窯(他に50m級もあり)を使われています。実際は土の方が大事なのだそうですが、小生は陶芸は全くの素人ですので、細かいところはスルーしてください。この登り窯を持って初めて、古備前と同じ成分の陶器が焼成できたそうです。現代も備前焼はあり、岡山市内の神社は備前焼製の狛犬を持ったところも多いのですが、古備前とは全く違うもののようです。
会場にはその五石瓶を初め、大小の瓶や徳利など、古備前だったらありそうなものがずらり、いずれも自然釉がかかったり窯変したりで、見事です。特に巨大な五石瓶、ポスターから大きさを想像してもらうとして、高さは約1.5mです。これがひずみやひび割れもなくきれいに焼き上がっていますから、その技術も見事です。
しかし小生は、ある種の空虚感を感じました。古備前の場合は徳利や瓶など、いずれも実用品です。大瓶はおそらく水瓶でしょう。しかし現代の古備前写しは、古備前と同じものを作るという研究の成果でしょうが、もの自体は何の役にも立ちません。何の役にも立たないというのは、芸術品すべてに言えることかもしれませんが、絵画や絵皿などはまだ飾ることができても、一石瓶を部屋に飾る人はまずいないでしょう。85mの登り窯で焼成するためには、4000tの薪を107日間にわたって焚き続けたそうです。
森陶岳氏の業績を否定するつもりはありませんが、巨大な登り窯はあまりにも資源を浪費しすぎです。薪のための木の伐採による自然破壊で滅んだ文明は、数多くあります。古備前の復活には巨大な登り窯が必須だとすれば、その技法はもう復活できない、いや、復活させてはいけない技法なのではないでしょうか。
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