2024年6月11日(火)
天気、晴。ビジネスホテルの朝食は、朝食付きのところに限るが、大抵はバイキングである。そしてこれは、高いホテルほど選択肢が多い。ここはパンの中でフレンチトーストもある。フレンチトーストはいくらかに追加料金が必要なところもあるが、しかも追加料金無しだ。これはありがたい。
出発前にカメラのチェックをしていて、GPS受信機用の電池の予備を持ってくるのを忘れたことに気がつく。しかもGPS受信機は、電池切れ寸前である。山の中なら慌てるところだがそこは札幌の駅前、コンビニには不自由しない。ところがどこへ行っても単3は4本パックである。以前は2本パックもあったのだが、いつの間にか変わってしまった。仕方なしに、4本パックを買う。
札幌駅はホームが暗く、駅撮りには向かない。以前もそう思っていたが、これは変わっていない。気動車特急は281系、283系といった振り子車が姿を消し、番台の違いはあるが、ほぼ261系に統一されたようだ。各停の電車は733系が主体になったが、731系に少数派の735系、さらには今までのごつい前面から一転して切妻顔になった737系も来る。737系は北海道の伝統の3両単位から脱し、2両編成になった。
電車特急はというと、785系は姿を消し、789系である。789系と言えばかつての青函連絡特急用であったが、新幹線の開通に伴いその車両も移動してきているようだ。なお系列名で785と789の間の787系は、九州にいる。順番から言えば、781が北海道、783が九州で、このあたりは一個飛びになっているのだ。789の後の881も、JR九州は使わずに空けてある。
旭川行きのカムイ7号に乗車、車両はモハ789-1001、このカムイ用に造られた車両である。JR北海道の特急用車両は先頭の乗務員室に扉がなく客室用出入り口を共用していたが、この789系1000番台から乗務員用のドアが付いた。3月改正で自由席が減ったせいか、札幌時点でほぼ満席。通路側の席を見つけて座る。これでは靴からスリッパに履き替えるわけにはいかないな。カムイのアナウンスは日、英、中、九州と違って韓がない。ホテルの表示もそうだったので、北海道では韓国人の旅行客はまだ少ないのだろうか。釧路では道路標示がロシア語併記だったが、今はどうなっているんだろう。
旭川到着、やはり最高速度を落としたせいか、785系の時のような「めちゃくちゃ速い」という感じはしなくなった。旭川は改札口が上下線別にあったような記憶があるが、着いてみたら上下線一緒である。後で調べてみたら上下線が別の改札は帯広で、記憶違いであった。
札幌からの特急と宗谷本線の列車は接続が良いとは言えず、ここで1時間の待ち合わせ。一旦外に出て待合室で過ごす。ただ宗谷本線の快速「なよろ」は始発のため入線が早く、20分前にはもう入線していた。
JR北海道もキハ40の置き換えがずいぶん進み、車両は新しい電気式気動車H100型になっている。行き交う車両も皆H100で、旭川ー名寄間は置き換えが済んでいるようだ。H100は20m級のため、車内はゆったりしている。実際のところ乗客数から言えば18m級でも良いのだが、最近の新車のトイレは電動車椅子対応が求められるため、トイレの占める面積が大きい。そのため、18m級でトイレ付きだと、車内の半分をトイレが占めているような錯覚に陥る。単行主体なので各車にトイレは必要だし、20m車にしたのは良い判断だと思う。
そのH100単行の名寄行き快速が発車、座席は半分ほど埋まっている。このH100型は電気式である。ハイブリッドのようなバッテリーや複雑な充電回路は持たず、先祖返りしたような純粋な電気式だ。ご先祖様と違うところは、発電機と電動機が交流式になったことと、エンジンがめちゃくちゃパワーアップしたことだ。エンジンは最近の気動車標準となったコマツの450PS、2軸駆動だから空転にはキハ40のエンジン換装車より強い。600PSくらいにパワーアップして4軸駆動にすれば、完全にキハ54を置き換えられるのだが。
電気式気動車は変速がないので、当然の事ながら変速時のショックがない。電車も直流電動機の直並列制御からVVVFに変わってつなぎ替え時のショックがなくなったが、気動車はエンジンが高馬力になるほど変速段が増え、変速ショックも増えていた。なおこれまた余談であるが、DD51などの液体変速の機関車は、変速を機械的な切替ではなく油の流れを変えて行っているので、変速ショックはない。話を戻して、電気式気動車は乗っていて快適である。
電車の運転区間は旭川までであるが、架線は新旭川の先の車両基地まで続いている。その車両基地に、DE15のラッセルヘッドが首だけの標本のように並んでいた。ひょっとすると、機関車は廃車になってもラッセルヘッドだけは予備用に残してあるのかもしれない。
塩狩峠も楽々と越える。さすがは450PS。ただH100はJR東のGV-E400をベースにしてあるため、運転台もJR東の左手操作のワンハンドルだ。この左手操作、マスコンが左手操作だから左手操作にしたのだと思うが大事なのはブレーキ扱いで、右手操作だったブレーキを左手操作にしたものだから、停止間際に微妙な操作ができなくなった(というか、やらなくなった)。雪の北海道ではもっと微妙な操作が必要なのに、それを利き手ではない左手でやらせられる乗務員さんは気の毒だ。
電気式気動車のエンジンは発電に最適な回転数に固定できるので一定でも良いのだが、負荷に合わせて低速段と高速段の2段階あるようだ。また無人駅では一般的な後乗り前降りにはせずに、前乗り前降りである。冬の寒さ対策で、できるだけ開口部を少なくしているのか?2両編成の信用乗車で全ドアを開けるなど、もってのほかなのだろうか。
和寒、比布と言った面白い駅名の駅を過ぎ、名寄に着いた。
(つづく)
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