2024年4月14日
広島交響楽団の福山定期に行ってきました。これは「オーケストラ福山定期」企画の第1弾で、これから京都市響と交互に、福山で定期演奏会と同じ曲を演奏することになります。その第1弾の今日は、指揮は広響音楽監督のクリスティアン・アルミンク、曲目はベートーベンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」、それにリヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」。なおピアノは、アルミンク氏と同じウィーン生まれのティル・フェルナーです。
会場は、リーデンローズ大ホール。小生にしては珍しくS席を取りましたが、2階の中央、前から2番目です。リーデンローズは、最前列でも柵が邪魔にならず、見やすいですね。舞台はクラシックの演奏会なので、ステージが手前に出っ張っています。この客席から舞台への転換のギミックと、反響板が出てくる仕掛けを見たので、感慨深いです。
お客さんの入りは、上から見たら1階は埋まっているようですが、2階はかなり空席が目だちます。3階までありますから、3階はどうなっているやら。ここも岡山シンフォニーホールと同じで、地元の客だけでは2000席は埋めることができず、どうやって他所のお客さんを取り込むかですが、いかんせん場所が悪いです。昼間の公演ですから循環バスの「まわローズ」が動いており、帰りもなんとかなりますが、これが夜の公演だったら帰りはタクシー頼りになります。実際には電話しても30分待ちはざらです。
さて、オーケストラ入場。舞台には後半のアルプス交響曲に合わせていろんなものが置いてありますが、ベートーベンですからそれらには関係なく、弦も10-8-6-4-3と小ぶりな編成です。ピアニストと指揮者が入場し、演奏開始。きれいなピアノですね。パワフルではなく、粒の揃ったきれいなピアノです。会わせるオケも演奏が美しく、聞いていて幸せになります。こういう時は、隣の席が空いていることも、良い気持ちに拍車をかけます。堪能しました。アンコールは、リスト:巡礼の年第一年スイスより「ヴァレンシュタットの湖で」でした。
休憩中にピアノを片付け、椅子を並び替えてアルプス交響曲の準備です。お、16型だ。広響も16型をやるんですね。4巻編成にティンパニが2組ですから、これくらいの弦は必要でしょう。そのティンパニ、第1ティンパニのヘッドは茶色、第2ティンパニは白。第1はプラスティックフィルムですが、第2は本革なのかどうか。プラスティックでも白い仕上げがあるみたいです。
肝心の演奏ですが、「すごかった」の一言。なまじ2階正面の席などを取ったため、ものすごい音量をまともに浴び、耳が完全に飽和してしまったんです。振り切れてしまった状態ですね。「すごかった」しか印象に残りません。
会場で気になったのは、拍手のタイミングが早いですね。アナウンスでしきりに「拍手は指揮者が手を降ろしてから」と繰り返し言っていたのは、広響ファンに早い常連さんがいるのかもしれません。それを知っていたのかアンコール曲のヨーゼフ・シュトラウスの「とんぼ」、この曲は最後がチャン、チャーンと終わるんですが、アルミンクさんこの最後を大きくジャン。つられて拍手が起きました。そこでにっこり客席を振り返り、最後のジャーン。大拍手でした。
帰りは福山駅まで無料バスを運行するとのアナウンスがありましたが、バス乗り場に行ったら「もう出ました。この1本だけで次はありません。」とのこと。まわローズで帰りましたが、岡山福山間の1時間はともかく、この立地だけはなんとかならんものかと思います。
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