4年ぶりの第九合唱練習記(11)
2023年11月18日
今日は、飯森範親氏(以下、飯森先生)の練習日、初顔合わせである。場所はいつものイベントホールではなく、スタジオ1。こちらの方が狭い。席はいつもと同じ縦長配置で、テノールは2列。これはテノールが分かれたときに歌いにくいので、横長の配置が良いのだが。パート練習の時は横長配置だったが、それだと全員が入りきれないのだろうか。今日は表町商店街も含めてイベントが目白押しで、場所が取れなかったのだろうか。
最初で最後の土曜日の午後一集合、集まりが悪い。と思ったら、10分前の発声が終わった頃はぎっしりになっていた。やはり土曜日仕事の方も多いのだ。いつもは一番乗りのSさんも、ギリギリに到着。やはり午前中の用事を済ませて昼食を取ってとなると、ギリギリになるのだろう。お隣さんも遅かったが、交通渋滞に巻き込まれたようだ。ちなみに今日は強風のため、瀬戸大橋線は全面運休である。
時間になって、飯森先生登場。若い!セーターにジーパン。ジーパンは日頃からなのか、デニムの産地の岡山に敬意を表してなのか。休憩時間の立ち話を漏れ聞いたら、昭和38年生まれとのこと。ちょうど還暦だ。最近は鈴木優人氏のようにすごく若い指揮者も出てきたが、指揮者の60才は若手である。
まず1回通して、それから詳細な指導に入る。今回の指導の重点は、ドイツ語の発音それも母音、特に二重母音である。まずau、これはアウではなくアオ。そう言えば、これはドイツ語の授業で習ったな。Frauはフラオである。その他、ダイネはダーアイネ、オイレーはオーオイレー、のつもりで歌うようになど、要は今までは音符の前半にまとめてしまって、後半が尻切れトンボになっていたのだ。音符一杯に歌うようにすると、これだけでもずいぶん違う。
語尾の子音のあわせでは、たとえばwe--ltとなる場合、最後をwe--ltでなくwe--eltと発音すると、ぴったり揃う。これは驚きである。一方schlun-genの発音、これはschlun-genではなくschlu-ngenと発音するのだが、これはかなり良くなったが、もう一息である。このことはI先生も口を酸っぱくして言っていたことなのだが、I先生が言ったくらいではみんな聞かないようだ
飯森先生は楽譜はベーレンライターの指定であるが、ベーレンライターとプライトコフの違いの一つに、スタッカートの扱いがある。ベーレンは音符の上に!から下の点を取ったような記号で、これは現在ではスタッカーティシモとして扱われる。スタッカートが目安として音の長さは音符の半分と言われるが、スタッカーティシモは1/4だ。プライトコフでは、ベートーベンの時代は普通のスタッカートとしてこの記号が使われていた(区別はなかった)としてスタッカートになっている。飯森先生はこれ(ドイツ語で言っていた)を1/4とまでは行かないものの、隣の音符とははっきり音を切るように指示があった。この記号は結構多いので、見直しである。
第九の歌詞には「天に神様はいるに違いない」という歌詞が頻繁に出てくるが、これが確信ではなく「本当か?」という疑問形になっているという説明を、ずいぶん昔に聞いた。それが654小節のmuss er wohnenのA7の和音なのだが、その前の631小節からのIhr stu¨rzt nieder,からの和音の変化は疑問と確信を行ったり来たりしているそうだ。ここは譜面がF(Dmoll?)からB(Gmoll?)に変わるところで、mollとdurを行ったり来たりしている。そしてdurのきれいな和音になって確信したかと思ったら、例のA7になるのだった。その前のwohnenの終わり方(626小節)は俗にアーメン終止という終わり方だそうだ。調べてみたら、全終止がⅤ→Ⅰと終わるのに対しⅣ→Ⅰで、普通の全終止と比べて「終わった感」が少ないと言われている。「終わってないよ」がずいぶん続く。
この「半信半疑」の状態はその後もドッペルフーガも続いていて、確信に変わるのはかなり終わりに近く、814小節のあたりだそうだ。ここは合唱はFlu¨gel weiltとAの和音で終わるが、その次にオーケストラはDdurになり、見事Ⅴ→Ⅰの全終止である。その後のPresto(Seid umschlungen)はDdurで、Dmollで始まった曲がDdurで華やかに終わるという、ベートーベン得意のパターンである。
なおこのPresto、飯森先生自体は少し遅めにじっくりと歌わせたいそうだが、合唱が母音をしっかり伸ばさないとオーケストラがどうしても前のめりになり、走り出してしまうそうだ。そうすると単なる「お祭り」になってしまうので、なんとか走らずに、母音をしっかり伸ばすようにという指示があった。
といろんな指示があったわけだが、これを確認する練習は、次の飯森先生の練習の前に1回しかない。せめて2回はほしいところだが、後は各自、責任を持ってやれ、と言うことだろう。真面目に自主練をやらねば。
追記です。書き切れないことは多数あったのですが、これだけは書いておかねば。
ドイツ語の発音で新しく言われたことが、語尾-erの発音である。例えばTochterの場合、昔はトッホテルだったのがトッホテアになり、今はトッホターだ。カタカナで書くと最後のアーの音が強くなりすぎるが、軽いアーである。2016年に岡山フィルの第九を初めて聞き、その時の指揮は飯森先生だったのだが、その時の発音が「フロイデ、シェーナー」で、当時オーディションに備えて「フロイデ、シェーネル」で練習していた小生はびっくりした記憶がある。と、だんだん普通のドイツ語の発音に近くなっていったのだが、やっぱり舞台の上の発音は普段の発音とは違うということで、少し揺り戻しが来たという話は聞いた。
そこで今回だが、トッホターの後に小さくrを、できる人は巻いて入れるように言われた。いわばトッホターrである。最後の母音は、断じてエではない。合唱なので全員ができなくてもその意識を持つだけで、全体の響きはかなり変わるのだ。小生はrは巻けるので入れられるが、次の単語が遅れないようにするには、ここはかなりの繰り返し練習がいるな。
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