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2019/05/26

AIvs教科書が読めない子どもたち

2019年5月26日

久しぶりに、最近読んだ本の感想です。「AIvs教科書が読めない子どもたち」(東洋経済新報社)。作者の新井紀子氏は、「東ロボくん」プロジェクトのディレクターを務めた方で、専門は数理論理学です。

この本を読んで衝撃を受けたことが2つありました。一つは東大の入試問題が昔聞いていたことと変わっていたこと。東大と京大の入試問題の差を誇張して言われていたことが、東大は小問を多数、京大は大問を少数、ということです。具体的に言うと、東大は60分の試験時間の間に70問から80問、一問の回答時間は1分未満です。逆に京大は白紙の解答用紙の上の方に1行「○○について述べよ。」というパターンだと思っていたのですが、この本に引用された東大の世界史の入試問題は「17世紀の東アジアと東南アジア地域での海上交易の繁栄と停滞の変遷とその要因について、東アジアと東南アジア諸国の交易の方針とヨーロッパ諸勢力のこの地域を巡る動向に留意しながら600字で論じなさい。」こんな論述問題が東大の入試に出るとは、思っていませんでした。「京ロボくん」はまず不可能でも「東ロボくん」は可能と思っていたのですが、これでは「東ロボくん」も難しいですね。

もう一つは、この本のタイトルにある「教科書が読めない子どもたち」とはいわゆる落ちこぼれの連中だと思っていました。ところが試験をした結果、教科書が読めないのはほとんどの子ども(大人、先生でも読めない人が多いです)で、逆に読めるのは国立大Sクラスに進学する(した)子どもたちだけという、恐ろしい結果でした。この「教科書が読めない」とは、川端康成を読めないとか、中原中也を味わえないということではなく、論理的記述の意味を正確には理解できない、ということです。さらにこの国立大Sクラスというのが旧帝大なのか、旧帝大に東工大、一ツ橋といった旧専門学校を加えたものなのか、あるいは東大と京大だけなのかは不明ですが、私立のSクラスは見事「読めない」方に入っています。

ちなみに小生も、何問か間違えました。0が偶数とはなあ。約束事(定義)だからしようがないけど、すっきりしません。

これはすべて読解力で、読解力は論理的な文章をどんどん読み書きすることで鍛えられるのですが、今の教育(特に小学校)はそうなっていませんね。小学校で英語やプログラミングを教えるよりまず国語、という考え方に、小生も賛成します。

さて、AIによって仕事を奪われる、という話が出ていますが、東ロボくんでさえMARCHIに合格する力を持っていますから、ホワイトカラーは先の国立大Sクラス相当の実力を持っていないと、駆逐されるでしょうね。人相手だと行けそうですが、パターン化された仕事だとAIの得意分野ですから、介護などを除いてこれも大変です。小生はもう引退していますから関係はないですが、今の中学生あたりが大学を出て就職する頃は、大変なことになっているかもしれません。

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