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2017/08/14

EF81とEF64

2017年8月14日

カシオペアが上越線を走るときは、牽引機がEF81に代わってEF64になるか、EF64の補機が付きます。24系「あけぼの」の時代もそうでした。要はEF81では上越線の20パーミルが登れないのです。こういう話をすると、「そりゃあ、EF81は平坦線用だしEF64は勾配線用だから、当然だろ。」という答えが出てくるかもしれません。しかし片や平坦線用、片や勾配線用と言っても、どちらも同じMT52を6個装備、歯数比も同じ3.83。軸重に至ってはEF64の16tに対し、EF81は16.8t、単純に粘着牽引力だけを比較したら、EF81の方が強いのです。

違うところと言ったら、EF64は勾配抑制ブレーキ付き。これは降るときだけで、なくても多少平均速度は落ちても降れます。後はEF81の短絡渡りに対し、EF64は橋洛渡り、これは影響があるようです。抵抗制御の電車や電気機関車は直並列組み合わせ制御を併用していますが、その直並列の切り替えの時のやり方に、大きく分けると2種類あって、その片方が短絡渡り、もう片方が橋洛渡りです。機構の説明は省略しますが、短絡渡りは機構は簡単ですが、切り替え時に衝撃が出ます。採用しているのは平坦線用のEF65やEF81です。京洛渡りは理論的には切り替え時の衝撃が出ませんが、回路は複雑です。採用しているのは、かつての碓氷峠用のEF62,EF63、現役の山男EF64、それの大出力のEF66です。粘着ぎりぎりで坂を登っているときに襲撃が出れば必ず空転するので、渡りの差の影響は大きいと思いますが、旧型電気のEF15やEF16は短絡渡りなのに平気で上越線を登っていました。まだ何かありそうです。

図書館で電気機関車の本を読んでいたら、EF81のところで、「交流区間は脈流運転になるので、整流安定化のために界磁が常時分路されている云々」という記事を見つけました。要はEF81は同じMT52でも、全界磁が100%ではなく98%になるというのです。これはどういうことかというと、界磁を弱めると定格回転数が上がるので、加速段階では等価的に歯数比が小さくなるということなんですね。計算したら、元々の3.83が3.75になりました。これがおそらく山に弱い原因の一つです。

もう一つは想像なのですが、抵抗の値が小さいのではないかと思われます。EF81の常務体験記を見ると、皆さん「直列から直並列に切り替えるときの衝撃がある。」「直列から直並列に切り替えるときに空転しやすい。」とおっしゃっています。ところが、同じ短絡渡りのEF65ではそういう声は聞きません。

EF級機関車の場合、直列最終段階では電動機の端子電圧は250Vです。これを直並列にいきなり切り替えると端子電圧は500Vになるので、直列抵抗を入れて電動機にかかる電圧が250V近くにします。そして順々に抵抗を抜いていくのですが、抵抗が元々小さいと、切り替えた瞬間に衝撃が出ます。これは直並列から並列に切り替えるときも同じですが、直列から直並列に切り替えるときの電圧比が1:2であるのに対し、直並列から並列に切り替えるときは1:1.5であるため、影響が少し少ないものと思われます。

EF81はEF65を交直流にしたものと言われていますが、直流機関車の制御装置に加えてトランスと変換器を強引に詰め込んであるため、かなり無理をした構造になっています。抵抗器は機械室から追い出されて、屋根裏です。やはりスペースの関係で十分な抵抗が積めなかったのではないかと思っています。

EF81が活躍した線区(もう過去形になってきています)は、東北線に奥羽線、さらに北陸線と、かつてはD51が重連や3重連で1000t列車を牽引した区間です。本来投入するならE64の交直流版なのですが、技術の進歩が要求に追いつかなかった例です。その分、乗務員の方達に苦労を強いたことでしょう。

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コメント

さすが、おくわしいですね。機関車のことは門外漢でぜんぜんわからないです。
あたりまえといえばあたりまえですが・・・交流区間は脈流でしょうね。
いままで気にもしていませんでした。
いまと違い?整流してあんな電力、平滑回路なんてあるわけないですものね(笑)
オーディオアンプじゃあるまいし・・・
書〇で、電気機関車(型番忘れた)と103系の回路図つなぎが載ってる本みたことあります。
わたしは制御回路とか、おばけカプラーのつなぎとか、そういう本でてくれないかと思って
います。入場のとき旧型と新型つないだり、どういうつなぎになっているのかとか、興味
あります。もちろん電車の回路図つなぎもです。あと国鉄時代には局によって、独自の
オプションのコネクターあったの記憶にあります。いまさらですけど。最近の電車は企業秘密
かもですが、もうすでに淘汰された電車なら公開してほしいものです。

文章がおかしいです。いまと違いのくだり・・・制御方式のこと書こうとして誤解される文章、訂正です

ひでほさん、ありがとうございます。

電気機関車のつなぎ図は載っている本がいろいろありますが、電車のつなぎ図を系統的に紹介した本は、ないかもですね。交友社で出している専門書(「電車」など)のバックナンバーには出てくるかもしれません。昭和鉄道高校あたりだと、揃っているかもしれません。
カプラーは、ピン配列図があれば「お化け」の配線も出てきます。これもあまり公開されていませんが、どこかで見たような記憶はあります。それどころか、気動車の電磁ブレーキ用カプラーは、位置も本には書いてなく、数年前に津山の機関区で教えてもらってやっとわかりました。

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