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2013/08/18

風立ちぬ

2013年8月18日

お盆休み中に、ジブリのアニメ映画「風立ちぬ」を見てきました。ストーリーの話をした時にカミさんは、「男のおとぎ話!」と言っていましたが、これは宮崎駿監督の壮大なおとぎ話ですね。

ジブリのアニメに出てくる鉄道車両は、デフォルメはされていますがそのモデルの特徴が良く出ています。今回出てきたのは、蒸気機関車では86(8620型)と96(9600型)。それに碓氷峠のアプト式10000(後のEC40)です。はっきり読めた96のナンバープレートは79601、これは門司にいた機関車です。おそらく、何かの写真を参考にされたのでしょうね。

自分ではわかりませんが、出てくるものや景色が、「3丁目の夕日、戦前版」なのではないかと思いました。設計室も、あんな感じだったのでしょう。小生が昭和46年(1971年)に北九州で電機会社に入った時の設計室も、T定規をドラフターに変えただけで、同じ雰囲気でした。計算尺がアップになりましたが、あのカーソルはヘンミのものですね。小生も会社から支給されたヘンミの計算尺を、モーターの特性計算に使っていました。

その頃の設計室は、たばこの煙だらけでした。それに工場の機械油の焼けるにおいと相まって、髪の毛や服ににおいが付いたものです。この映画に禁煙学会からクレームが付いたそうですが、この時代を描くには、たばこは避けられませんね。現代の基準で過去を裁いてはいけないのです。

話題となったエヴァンゲリオンの庵野監督の声優起用ですが、うまい下手以前に(本職の声優さんは、「下手」と言っていましたが)画面の顔と合いません。童顔で目のきらきらした、少年の面影を残したような青年に、低いぼそぼそとした声は合いません。

最後に重箱の隅の話を一つ。東京帝大の学生だった堀越二郎青年が紙を広げて鉛筆を出す時、ダース箱とおぼしき箱にきれいに削った長い鉛筆がぎっしり入っていました。当時は、こんな贅沢な鉛筆の使い方は出来なかったんでは無いでしょうか。しかも鉛筆の軸色は「ユニ色」。あの色は、それまでどこも使ったことの無い色として昭和32年に採用されたと聞いています。その点会社に入った後の濃い緑色の軸は、ファーバーカステルの9000番の色で、世界の高級品ですから、航空機の設計現場にはぴったりですね。ただここでも鉛筆はたくさん箱に入っていました。高度成長期でも「ユニ」を設計に使った方は、「新しい製図用鉛筆は短くなった鉛筆と交換で無いとくれなかった」とおっしゃっていましたので、実際は1本の鉛筆(製図の場合は硬度の違うもの各1本)を、削りながら大事に使ったのではないでしょうか。

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