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2011/04/23

地域丸ごとの周波数移行は、現実的か?

2011年4月23日

計画停電が無くなって、街がずいぶん元の賑やかさを取り戻してきました。あの計画停電、電力不足と節電の大切さを知らしめるに実に効果的でしたが、影響は予想以上に大きかったようです。特に産業界では、計画停電のために震災後の立ち上がりが1ヶ月遅れたようです。

現在は季候が良くなって暖房需要が無くなり、電力不足が一息ついていますが、依然として厳しい状態にあることには変わりありません。企業に対しての25%節電が15%に落ち着きそうでいくらか良くはなりそうですが、この夏企業は冷房の設定温度を上げるなどの生やさしい対策ではなく、完全に冷房禁止になりそうです。会社では、ショートパンツとTシャツでの勤務も認めようかという議論もされているようです。

電力不足で必ず話題になるのが東日本と西日本との周波数の違いで電力融通が限られていることですが、東日本全体ではなく、その一部だけでも60Hzかしたら良いのではないかという話が出てきました。先週の「日経エレクトロニクス」に載っていた話ですが、静岡県東部、山梨県、それに群馬県を60Hz化すれば、今回の原発停止による不足分は全部まかなえるそうです。最近は50/60Hz両用機が主体になっているので、大きな混乱は起こらないとのことですが、果たしてそうでしょうか。

小生が住んでいる街が501Hzから60Hzに変わると仮定して、考えて見ます。50Hz地域から60Hz地域への引っ越しの場合、問題になるのは蛍光灯、洗濯機(脱水機)、電子レンジの3つです。かつてはレコードプレイヤーというのがありましたが、現在は持っている方はかなり特殊と見なせるので、個別対応とします。
蛍光灯は安定器が問題になって場合によっては発熱し、電子レンジも発振器が問題になります。脱水機は回転数が上がりすぎるので振動を発生することがあり、またブレーキをかけても止まりきれません。日経エレクトロニクスによると最近のものは50/60Hz両用になっているとのことですが、小生の家にあるものを見たら、脱水機も電子レンジも50Hz専用でした。これらは部品交換が必要です。

引っ越しの場合は家に造りつけになっているものは持って行きませんが、その地域を60Hz化しようとすると、すべての機器が対象になります。小生の家の蛍光灯は、スタンドは両用ですが、天井に付いているものはおそらく50Hz専用です。これも取り替えなければなりません。

引っ越しと違って、ある地域が60Hz化する場合は、部品交換は1日ではできず、その地域全部の部品を交換し終わるには、数ヶ月はかかるでしょう。そのため、部品交換する場合は60Hz専用ではなく、50/60Hz両用に交換しなければなりません。天井に付いている蛍光灯など住宅機器は、元々周波数の違う地域への引っ越しなど考慮されていませんので、基本的には両用のものはありません。新しく両用の安定器を造ってそれと交換するようになります。場合によっては従来のものには収まりきれず、器具全体を交換しなければならないかもしれません。脱水機は安全のために60Hz用として、50Hzの間は回転の落ちた性能の悪い状態で使わざるを得ないでしょう。

意外と盲点になっているのが、ポンプです。3階建て以上のアパートには給水タンクが付いており、ポンプで水を上げています。このポンプの動力は回転数の3乗に比例するので、50Hzで使っているポンプを60Hzで使ったら、1.7倍の動力が必要になります。モーターで言えば、1サイズ上のものになります。これはモーターを交換するしか無く、1サイズ上のものと交換するには土台から変更が必要で、スイッチ類なども交換の必要が出てきます。またこれらポンプもしばらくは50Hzで使ってその後60Hzになるので、50Hz時代はモーターの出力が大きすぎ、60Hzになったらポンプの能力が大きすぎることになります。なおタンクレス給水システムでも話は同じで、制御ソフトの変更という手間がもう一つ増えます。これも50/60Hz両方で使えるソフトを、新規に開発しなければいけなくなるでしょう。

これらのことが各家庭でできるかというと、まず不可能です。天井取り付けの蛍光灯など全体を取り外さないと確認すらできませんので、素人には無理です。そのため、これらのことを専門の作業員が1軒1軒訪問しながら交換部品の必要を把握して部品を発注し、部品が入ったところで交換作業を行うわけですから、果たして2ヶ月でできるものかどうか、小生は半年でも無理だと思います。さらにここには書かなかった工場の機器もありますので、地域限定でも周波数の変更は、実現不可能な空論と言えるでしょう。

やっぱり今年の夏は、暑さに耐えながら仕事をするしかないようです。小生は高校時代は36℃の教室で受験勉強をやってきましたが、その再来になりそうです。
そのうち今度は、発電機の話を書きます。

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