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2010/06/07

貨車の軸重

2010年6月7日

以前「ビールワム」について思い出話を書いたとき(興味のある方は、こちらをご覧ください)、破損防止で瓶が少し重くなり、そのためフル積載では荷重15tの「ワム」に収まりきれなくなって間引きしているという話を書きました。ちなみに、「ビールワム」とはワム80000型のワム584000番台のことです。その時は、ワムを荷重17tの「ワラ」に改造すべきだった、と書いてしまいました。念頭には、セム6000型からセラ1型への改造と、荷重17tのワラ1型の存在がありました。同じ車体でバネだけ交換し、荷重を17t(16tでもOK)にすればフル積載ができるのに、と思ったわけです。730115b580000


ところがその時は気がつかなかった貨車の軸重を調べてみたら、別の制限が見えてきました。今は規格が変わりましたがかつては鉄道線路の規格は特別甲線から始まり、甲線、乙線、丙線、簡易線とありました。この線路規格によって最大荷重やら軸重やらの制限があるのですが、一般には軸重制限が最も厳しく、最大軸重で乗り入れられる線路が決まっていました。また一般の貨車は丙線までは入線可能なことが求められていました。簡易線は特別扱いです。丙線の規格では、貨車の最大軸重は14tのようで、目安は13.5tでした。つまり、2軸貨車では総重量は27tに収めなければいけなかったのです。この点、最大積載量が総重量(かつての規制では、20t)から規制されてしまっている10tクラスの大型トラックと、似たようなところがあります。

さて、ワラ1型は自重が軽く、10tありません。そのため荷重の17tと合わせても、制限の27tの中に収まります。ところがワム80000型は総ドア構造のために柱が太く、またパレットも自重の中に含んでいるため、自重は約12tあります。これに荷重の15tを足すと、27tぎりぎりです。これでは「ワラ」に改造することは、とてもできない相談でした。そのため3軸のワサ1型が誕生したのですが、荷重20tの「ワサ」となるとやはり大きすぎ、使われなかったようです。なおワラに改造して「乙線以上」という運用制限をかける手もありましたが、九州ではキリンビールの福岡工場へ繋がっている甘木線自体が丙線で、運用制限をかけられたらビールワムの存在理由そのものがなくなってしまいます。こちらも、できない相談でした。

なお簡易線は制限軸重が12tのため、一般の「ワム」は入線できません。昔の小海線の貨物列車を見ると、入線しているのは「ワ」や「ツ」と言った荷重12tクラスが主体でした。また熊本には簡易線である高森線の終点にキリンビールの特約店がありましたが、ビールワムは入線していなかったと思われます。Img_0073a


最近は貨物列車の走行範囲がほとんど幹線のみになったため、軸重の重い貨車が増えています。高崎線でよく見かけるタキ1000は軸重が15.5tもあり、かつての甲線以上でないと入線できなくなっています。ところが九州では、鹿児島本線の八代以南と日豊本線の大分以南がそれぞれ乙線で、どちらも貨物列車が走っています。九州のタンク車事情は、どうなっているのでしょう。

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コメント

うーむ難しい。
まるでパソコン説明書を読んでる気分です。

meeさん、ありがとうございます。
鉄でも、かなりマニアックな分野です。最近の貨物列車と言えばタンク車かコンテナ車ですから、こういう二軸貨車の話が分かる方は相当なお歳でしょうね。昔の貨車の方が、バライティーに富んでいて面白かったです。

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