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2009/08/01

京葉線の変電所火災

2009年8月1日

7月30日には京葉線の変電所の事故で、長時間電車が止まりました。停電で冷房の止まった車内に1時間近く閉じ込められた方もいたそうで、お見舞い申し上げます。京葉線は窓の開く201系と205系だったのでまだ良かったのですが、東武の50000系のような窓の開かない電車だったらもっと大変なことになるところでした。

さてこの事故、新聞やインターネット(元は新聞)の記事を総合すると、
1)電車で電源をショートする故障が起こった。
2)変電所で落ちるはずのブレーカーが落ちず、火災になった。
3)変電所に予備回路があったが使えるかどうかわからなかったので使わず、他の変電所から電気を融通して復旧しようとした。(そのために時間がかかった。)
4)事故車はショートしたままだったので、今度は他の変電所のブレーカーが落ち、復旧に長時間かかってしまった。

ということらしいです。多少専門的になったことの新聞報道は当てにならないことが多いのですが、一応そのまま信用すると、
1)は本来電車内の保護回路(遮断機やヒューズ)が働きます。ヒューズが飛んだらその車両は動かなくなりますが、他の電車への影響はありません。故障車も電動車は3組付いていますので、1組が動かなくなっても隣の駅や電車区までは走行できます。なぜ電車の保護回路が働かなかったのか、不思議です。
2)も安全を司る機能が働かなかったのですから、これは重大問題です。

どちらも、本来働くはずの安全装置が働かなかったということで、きちんと整備点検を行っていれば、防げた事故です。最近「メンテナンスフリー」と言って全く点検しない事例が増えていますが、安全回路の動作確認は定期的に行うようなっているはずです。日頃どういう点検整備を行っていたかですが、小生はJR東日本の日頃の安全対策に疑問を抱かざるを得ません。

3)は額面通り受け取ればやはり整備の手を抜いていたということですが、「火災のために使えるかどうかわからなかった」ということであれば、これは不可抗力です。

朝日新聞(7月31日付東京版夕刊)には事故の解説記事が載っていましたが、内容は電気のことを全く知らない人が書いたデタラメなものです。ただ「逆流」というキーワードから想像をたくましくして読み解くと、電力回生ブレーキの制御装置(事故車は205系らしいので、添加励磁制御)の故障で架線に過電圧がかかり、変電所の遮断機を故障させた後に電車自体も短絡(ショート)し、今度は過電流で火災が起きたということも考えられます。しかし架線に過電圧がかかると、変電所より先に近くの電車が故障するはずですし、倍くらいの電圧では故障しないようになっているはずです。この想像の原因としても今度は添加励磁制御装置の整備不良で、どちらにしろ「整備不良」には間違いないようです。

さて復旧ですが、基板や制御盤ショートしたときのチェック方法と同じようにやれば、1時間もかからずに復旧したはずです。他の変電所から電力を供給したらブレーカーが落ちた、という時にどこかがショートしているとわかりますから、
1)まず区間内にいる全車両のパンタグラフを降ろさせる。今は全編成に無線機が付いているので、簡単にできる。
2)1編成ごと順番にパンタグラフを上げさせる。場合によっては、1m位動かしてみる。
3)問題なかったら「問題なし。全編成が終了するまでパンタグラフを降ろして待機。」の指示を出し、次の編成に移る。
4)故障編成に当たるとブレーカーが落ちるので、そこでまたパンタグラフを降ろさせ、今度はその編成の通し母線があればそれを切り放した後に、3つあるパンタグラフを1つずつ上げてみる。
5)原因が1カ所だったらそのユニットだけ切り離し、冷房が使えなくなる可能性があるが我慢してもらって、退避できる駅まで移動する。他の編成は運転再開。
昔だったらこれくらいのことは乗務員がやってのけたのですが、最近は乗務員を線路に降ろさせないようにしているため、こういうことができる乗務員がいなくなったのでしょうか。いやそれ以上に、こういう指示を出せる運転司令員がいなくなっているような気がします。

少し話の方向がそれますが、JRは線路に乗客を降ろさない方針なので、地下鉄乗り入れ車を除いて電車に「非常口」はありません。従って脱出するためには別の場所から踏み台か板を持ってくるしかありません。「電車への閉じ込めは30分以内」の方針で、前後方の非常口の他側面にも梯子を装備している東急の5000系とは、対照的です。

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コメント

多忙にかまけこのニュースをほとんどフォローしていないのですが、ごく初期の段階もしくは翌朝でしたか、ニュース報道でちらっと耳に入ってきたのが「電車から大きな電流が架線に流れた、という言葉でした。

ヘリコプターか何かから撮影された電車の映像が209系のように見え、同じような事故を京浜東北線でも起こしたことがあるというようなことを言っていた(ように聞こえた)ので、回生ブレーキのトラブルかなーなんて思ったりしておりました。あれは205系なんですか。我が横浜線(^^;と同じですね。

少し前にも横須賀線(新川崎のあたり)で電車が壊れて車内に長時間閉じ込められた人が大勢いましたけど、この会社は人を閉じ込めてしまうことにあまり痛痒を感じていないようですね。困ったものです。

Wちゃん、ありがとうございます。
またネットのニュースを見直してみたのですが、立ち往生して乗客が閉じ込められた編成が故障した編成のようで、そうすると205系ですね。京葉線独特(一部武蔵野線にいます)のFRPのお面をかぶった110km/h対応編成です。
ただ故障したタイミングは発車直後ですので回生ブレーキとは関係が無く、直並列の切り替えタイミングかな、と思ったりしています。そうなると、横浜線も同様の故障の可能性がありますね。
この会社、三河島事故のトラウマで、「閉じ込めておけば安全」と思っているようです。いつぞやの宇都宮近くの事故では、7時間も閉じ込めていたことがありました。115系だったからトイレは付いていたものの、乗客は飲まず食わずです。

205系のつなぎや配置は理解していませんが・・・それにしてもあの事故報告は納得いきませんでした。そのうち運転協会誌か電気車の科学あたりに詳細が載りそうなので書泉に行くことがあったらチェックしたいと思っています。

ひでほさん、ありがとうございます。
ちょっと専門的なことになると新聞は全く当てにならないことが、よくわかりました。Wちゃんのところにも書きましたが、故障の起こったタイミングから見て、事故と回生ブレーキは関係なさそうですね。小生のいる田舎には専門書を置いている本屋はないので、専門書に何か情報があったら、よろしくお願いします。

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